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エシカル消費
エシカちゃんは「エシカル消費」という言葉を知っているかい?
エシカル消費?聞いたことはあるけれど……
なんとなくいいお買い物ってイメージしかわからないわ。
エシカルという言葉は「倫理的な」という意味なんだ。だから直訳すると「倫理的な消費」となるね。
簡単にわかりやすく言うと「人や地球、社会にやさしい買い物」のことなんだ。
やっぱりいいお買い物のことね。
私はいつも安いものを選んで買ってしまうわ。
だってその方がいっぱい買えるでしょ?
エシカちゃんのお小遣い事情を考えると値段も重要な購入基準かもしれないね。
でもね、確かに安いものは魅力的だけど、その背景ではつらい思いをしている人たちがいるかもしれないんだ。
えっ!どうしてなの…。
たとえばとっても安い服が売っていたとしよう。その服をいっぱい生産するためには、農薬などの化学薬品や化成肥料などをたくさん使用して生産性を上げる必要があるんだ。
農薬や化成肥料の化学物質は環境に良くないものが多いんだ。使い続けることでその土地が破壊されてしまったり、さらには生産者の人たちが農薬を吸うことで体調を崩してしまうことだってあるんだよ。
農薬をたくさん使うことで、人も環境もつらい思いをしているのね。
さらに人件費を少しでも安くするために、安い賃金やひどい労働環境の中で働いている人もいるかもしれない。
エシカちゃんのような年頃の子どもだって働いていることもあるんだよ。
え!子どもまで?!私はまだ働きたくないわ。
だって学校にも行きたいし…。
そういった国や地域では子どもを学校に行かせてあげるお金もないんだ。
だから子どもだって労働力に数えられてしまうんだよ。
そんな…。学校に行けなければ勉強をすることも、友だちと遊ぶことだってできないわ。
そんなのいやだわ。
もちろん全ての商品がそうであるとは限らないけれど、
安さや便利さの裏には、様々な社会課題が隠れているかもしれないということなんだよ。
わたし、エシカルなお買い物をするわ。
だれかがつらい思いをするお買い物なんて、全然楽しくないもの!
でもどういったものを選べばエシカルな買い物になるのかしら。
そうだね。エシカル消費を実践するためのポイントをいくつかまとめておいたよ。
エシカル消費のポイント
フェアトレード商品を選ぶ
フェアトレードとは、生産者がより良い暮らしを持続していくために、正当な対価で取引される仕組みのことです。
企業が安値で受注するために、生産者に正当な賃金を支払っていなかったり、劣悪な環境で働かせている場合が多くあります。その労働力の中には子どもが含まれていることが多く、教育を受けられない、農薬による健康被害が出る、土地が瘦せてしまい緑が育たなくなるなどの悪影響がでてしまい、持続可能な暮らしを送ることができていません。
こうした社会課題を解決するための手段として、フェアトレードな商品を選択することが挙げられます。フェアトレードにはラベルが付いたものやラベルが付いていないものがあります。消費者にとってラベルがひとつの判断基準になりますが、ラベル取得のための費用を考えたときにラベルが付けられないフェアトレード商品も存在します。
アップサイクル商品の選択や実践
アップサイクルとは、もともと捨てるものや不要なものを、デザインやアイデアによって、新しい製品に「より魅力的で価値のあるモノ」として生まれ変わらせることです。
アップサイクルはリサイクルとは違い、原料に戻したり分解などをせずに元の形をなるべく生かします。そのため環境への負荷も少なく、廃棄物を減らすことにもつながっていきます。アップサイクルを通して大量廃棄という社会課題を意識することになり、長く使っていく価値観を育てることにもなります。
地元の商品を選ぶ(地産地消)
地元で生産された食品を地元で消費することです。
地域の活性化につながるだけでなく、地元の農家と販売店との連携がとりやすいことから過剰な在庫を防ぎ、ゴミの削減、食品ロスの防止にもつながります。また輸送などに使われるエネルギーも少なくすむことから環境への負担も軽減されることが期待できます。
環境ラベルをチェック
製品の原料や作られるまでの工程において、人や環境に優しい商品であることを証明するマークのことです。
「生産」から「廃棄」に至るまでの全ての工程の中で環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけることができるエコマークや、フェアトレードな商品であることを証明するフェアトレード認証ラベル、川や海などを守るためのMSC認証ラベルなどがあります。インターネット上で検索をかけると他にも多くの環境ラベルがあることがわかります。
それぞれのラベルの意味を正しく理解することで、エシカルな商品を選ぶ際の目印とすることができます。
フェアトレード商品やアップサイクル!地産地消もエシカルなのね。
フェアトレード商品ならコーヒーとかバナナとかいろいろ聞いたことあるわ。
ひとつのものを長く使って、廃棄を出さないことも大切だね。
毎年の流行に左右されないものを選ぶことで、長く使っていく工夫をすることもエシカルといえるんだ。
私が幼稚園の時に着ていた服をアップサイクルでカバンにしてみようかしら。
上で説明した「環境ラベル」の他にも、商品が作られるまでの工程や、その中で排出される温室効果ガスの量を明確に表示する取り組みも行われているんだ。
少しずつ「エシカル消費」という言葉が浸透しつつある今、商品を製造する企業もニーズに合わせて正しい情報を表示するように変わってきたんだね。
わかりやすく表示してくれるのは嬉しいわ。
お店でエシカルな商品を見つけるのも楽しくなるわね。
そうだね。難しく考えなくていいんだ。
値段やデザイン、使いやすさなど選択基準はたくさんあるけれど、そこにエシカルであるかということも考慮して楽しくお買い物をしていこうね。
うん!………あら、ミジイさんの帽子に穴が開いているわ。
ああ、これはもう10年以上使っている帽子だからね。
そろそろ新しい帽子に買い換えようと…
私がアップリケで穴を塞いであげるわ!
え……そのピンクの布で…?
いや、でも………、
長く使うこともエシカルな消費につながるのよね!!ミジイさん!
………………………あ、はい。お願いします。