ブックタイトル森林のたより 837号 2023年6月

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概要

森林のたより 837号 2023年6月

●詳しい内容を知りたい方はTEL058ー214ー7406岐阜農林事務所まで治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究等の取り組みを行っています。令和5年2月に行われた発表会で発表された取り組み成果を紹介します。岐阜市鶯谷地区の災害対応について県庁・岐阜ワーキンググループ発表者畑中慎・小山凌平(ワーキンググループメンバー)梶浦隆司、白井康二、後藤謙宜治山・林道技術成果位置図災害発生時があると考え、ワーキンググループ内の課題とし、治山技術成果発表会の場で情報共有を図ることとしました。災害直後の対応被災直後の現地調査では、山腹崩壊地から発生した土砂が一次谷を流送する際に渓岸を侵食しており、次期豪雨による二次災害が懸念されました。このため、「応急対策工事」、「県道の通行規制」、「学校の避難連絡体制の構築」、「災害関連緊急治山の申請」、「許認可申請」について、通常事業では考えられないスピードで複数の課題を同時処理する必要がありました。岐阜農林事務所では、「災害時における治山施設の応援協力に関する地区協定」に基づき岐阜土木工業会に応援協力を要請し、土砂流出防止ネットを設置しました。更に、山中に残存する土砂や流木の除去を、隣接箇所の治山工事と調整し変更契約で実施しました。その際、作業スペースが極めて狭隘であったため、非常に難航しましたが、強力吸引車や小型重機を導入するなど現場の工夫により、16日間で完了させました。また、岐阜市役所の協力で、崩壊面にブルーシートを設置するとともに、上部市道からの流水を防ぐ土のうを設置し、土砂流出に備えました。防災体制の構築恒久対策は、災害関連緊急治山事業等の採択を受け実施することとなりましたが、これらの工事が完成するまでの安全を確保するため、岐阜土木事務所から雨量計を供出していただき、現場に設置しました。雨量設定した基準値(時間雨量、日雨量)を超過した場合には、その情報が関係者にメール配信され、「県道の通行規制」「岐阜市へ避難行動の助言」を行う防災体制を構築しました。学校では、避難誘導の目安とし、被災した建物から離れるなど対策を行っています。今後の課題今回の災害では、防災体制等に関する知識が乏しく、他部局との協議に時間を要したことや、資材の保管先を知らなかったことにより、スムーズな対応ができませんでした。そのため、防災体制の構築について、日頃から検討しておく必要を強く感じました。鶯谷地区で行った災害対応については、現地研修などを通じ、治山職員の理解を深めていきたいと考えています。間であったことから在校生徒はおらず人的被害が無かったことは幸運でした。現在は(R5・4)、災害関連緊急治山事業により順調に復旧工事を進めていますが、豪雨災害の激甚化、頻発化にあるなか、今回の経験を生かす必要はじめに令和4年8月25日の集中豪雨により岐阜市鶯谷地区において、山腹崩壊が発生しました。崩壊土砂は、下方の私立鶯谷中学・高等学校の敷地と一般県道岐阜各務原線に流出しましたが、夜MORINOTAYORI5