ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号
- ページ
- 65/68
このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号 の電子ブックに掲載されている65ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号 の電子ブックに掲載されている65ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号
地域包括ケアシステムにおける認知症高齢患者に対するシームレスケア尺度の作成に向けて;デルファイ法による内容妥当性の検討た関わり〉を実践していくことが求められる.認知症高齢患者の多くは,退院後も何らかの〈医療的ケアの継続〉が必要になる.岩田ら5)は,在宅介護に関する認知的評価や対処方略および介護による生活への影響は要介護者の性別と介護者の続柄の組み合わせによって異なっていることが明らかになった,と述べている.医療者側が一方的に継続医療や介護を押し付けるのではなく,実践可能なレベルでの医療的ケアや介護方法を入院中から見出していくことが重要である.また,家族の介護力を判断し,家族の介護力を補完できる社会資源の活用も重要であり,それらもシームレスケアに欠かせない.Ⅴ.結語療養の場が変わっても,その人に必要なケアを切れ目なく実施するために,認知症高齢患者に対するシームレスケア尺度作成に向けて,デルファイ法を3回実施した.その結果,36質問項目に収束し,内容妥当性と対象者の意見の一致を確認することができた.今後は,統計学的な手法を用いて,信頼性と妥当性への検証が必要であるが,本研究は,地域包括ケアシステムにおける認知症高齢患者へのシームレスなケアの実践の一助になると考える.【謝辞】本研究に,ご理解とご協力をいただきました皆様に感謝申し上げます.なお,本研究は文部科学省研究費基盤(C)課題番号16K12193の助成を受け実施した.【利益相反】本研究における利益相反は存在しない.文献1)粟田主一(2017)認知症支援にかかわる医療職の人材育成;地域包括ケアシステムの理念とアウトカムに方向づけられた人材育成,日本認知症ケア学会誌,16(2),409?416.2)出口貴行,藤本俊一郎,大平隆博,塩田和代(2014)脳卒中患者における在宅復帰時の日常生活動作に関する日常生活機能評価を用いた検討,日本医療マネジメント学会雑誌,15(3),183?188.3)Denise A, Diane T, Elapeth M and DickinsonA(2011)'Seamless care? Just a list wouldhave helped!' Older people and their carer'sexperiences of support with medication ondischarge home from hospital, Health Expect,16(3), 277-291.4)池田学(2017)認知症の診断基準とADL,老年精神医学雑誌,28(9),965?968.5)岩田昇,堀口和子(2016)要介護者の性別および家族介護者の続柄別に見る在宅介護の認知評価,対処方略および生活への影響の相違,日本公衆衛生学会誌,63(4),179?189.6)川北慎一郎(2017)リハビリテーション医療における認知症治療の意義,TheJapaneseJournal of Rehabilitation Medicine,54(10),793?798.7)北村立(2015)生活機能を踏まえたBPSD薬物治療のあり方,老年精神医学雑誌,26(増刊?1),123?128.8)厚生労働省(2013)地域包括ケアシステム,http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/,2018年1月6日閲覧.9)厚生労働省(2016)介護保険サービスにおける認知症高齢者へのサービス提供に関する実態調査研究事業,http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000126176.pdf,2018年1月5日閲覧.10)厚生労働省(2015)認知症施策推進総合戦略;認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて(新オレンジプラン),http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html,2018年1月5日閲覧.11)Lysaght Hurley S, Strumpf N, Barg FK andErsek M (2013)Not quite seamless: transitionsbetween home and inpatient hospice, Journalof Palliative Medicine, 17(4), 428-434.? 196 ?