ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci.　第64巻　第2号　通巻 第292号

概要

教育医学 J.Educ.Health Sci.　第64巻　第2号　通巻 第292号

高齢ボランティアによるスクエアステップの指導が女性高齢者の下肢機能に与える影響―運動指導の専門家による指導との比較検討―家によるSSE指導の下肢機能への影響を比較することを目的とした．Ⅱ．方法1．研究デザインおよび対象者茨城県笠間市で開催されるSSEを主運動とした運動サークル（SSEサークル）に，2016年10月から2017年4月の間に入会した高齢者を対象に調査を実施した．SSEサークルの参加者の募集は，回覧板を使った案内，高齢ボランティアや他のSSEサークル参加者の口コミによりおこなわれている．本研究では新たに入会する高齢者に対して，高齢ボランティアを通じて調査協力を依頼した．こうして調査に参加した高齢者32名のうち，図1に示す除外基準に該当する12名を除き，女性高齢者20名をサークル群の分析対象者とした．サークル群の対照群（教室群）には，2013年10月から2016年3月の間に笠間市が開催した，SSEを主運動とする運動教室（SSE教室）に参加した高齢者を設定した．SSE教室の参加者の募集は，市の広報誌による案内，市職員による呼びかけによりおこなわれ，その結果教室に参加した高齢者141名のうち，図1に示した除外基準に該当する63名を除く，女性高齢者78名を教室群の分析対象者とした．尚，本研究は，筑波大学大学院人間総合科学研究科の研究倫理審査委員会による承認を得て実施した（課題番号：体26?132号，体29?43号）．本研究を実施するにあたり，対象者に研究目的，方法を説明し，自由意思に任せて書面による同意を得た．また，対象者の利益として，各対象者の身長，体重，各身体パフォーマンステストの測定結果を書面にまとめ，追跡調査後に本人に返却した．2．SSEサークル茨城県笠間市では，2009年より地域支援事業の一環として，高齢者に対するSSEの指導や，SSEサークルの運営をおこなう高齢ボランティアを養成している．養成に際して，高齢ボランティアの養成講習会がおこなわれ，講習会は全5回，1回2時間を1クールとして，年2クール開催されている．講習会の内容は，佐藤ら16)を参照されたい．SSEサークルは，講習会を修了した高齢ボランティアによって運営され，本研究の調査開始時点（2016年10月）で市内に32サークルが設立されていた．本研究の対象者が入会していたSSEサーク2016年10月～2017年4月までに笠間市内で開催されるスクエアステップ・サークルに入会し，入会者を対象とした調査に参加した高齢者32名2013年10月～2016年3月に笠間市が開催したスクエアステップ教室に参加した高齢者141名図1分析対象者の選定手順? 136 ?