ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号
訪問看護ステーション利用在宅高齢者における足病変とセルフケア行動の実態-歩行能力との関連性の分析-表1-2基本属性2(歩行できるn=38,歩行できないn=17)歩行できるできない項目カテゴリn割合n割合P値感覚障害平衡障害12 31.6%3 17.6%平衡障害なし26 68.4%14 82.4%0.344視力障害11 28.9%1 5.9%視力障害なし27 71.1%16 94.1%0.080聴力障害5 13.2%3 17.6%聴力障害なし33 86.8%14 82.4%0.692運動障害足腰の弱り31 81.6%11 64.7%足腰の弱りなし7 18.4%6 35.3%0.190麻痺10 26.3%7 41.2%麻痺なし28 73.7%10 58.8%0.347しびれ感3 7.9%3 17.6%しびれ感なし35 92.1%14 82.4%0.359骨と関節異常8 21.1%3 17.6%骨と関節異常なし30 78.9%14 82.4%1.000移動能力と歩行車いす、杖、歩行器、人の手20 52.6%11 64.7%車いす、杖、歩行器、人の手なし18 47.4%6 35.3%0.558移動に介助が必要4 10.5%7 41.2%移動に介助が必要なし34 89.5%10 58.8%0.024*排泄行動尿、便失禁4 10.5%8 47.1%尿、便失禁なし34 89.5%9 52.9%0.005*排泄行動に一部介助が必要0 0.0%1 5.9%排泄行動に一部介助が必要なし38 100.0%16 94.1%0.309ポータブル使用1 2.6%0 0.0%ポータブル使用なし37 97.4%17 100.0%1.000頻尿で夜間トイレに起きる0 0.0%1 5.9%頻尿で夜間トイレに起きるなし38 100.0%16 94.1%0.309バルン使用4 10.5%2 11.8%バルン使用なし34 89.5%15 88.2%1.000※Fisher正確検定、*:P<0.0578.9%,88.2%,血糖降下薬は31.6%,23.5%が使用していた.既往歴はいずれの群も高血圧と診断された人が多く,それぞれ76.3%,88.2%であった.歩行できない群は尿失禁や便失禁になる人は47.1%だった.現時点での歩行できる群と歩行できない群と各変数との関係を分析したところ,過去1年間の転倒回数が1回以上,5回以上の割合は,ともに歩行できる群ができない群より有意だった,2.足の客観的評価(表2,3)歩行できる群と歩行できない群の足病変の状態を比較すると,皮膚の状態は対象者の殆どが乾燥しており,歩行できる群89.5%,歩行できない群100%だった.歩行できない群では皮膚白癬のように見られる皮膚でも診断を受けていない割合が高かった.爪のトラブルに関する平均値と標準偏差を見ると,歩行できる群は10足趾の爪に対して変色している爪は3.53±3.96,歩行できない群は4.24±3.88,肥厚している爪はそれぞれの群で2.53±3.25,2.65±2.87,白癬様だが診断を受けていない爪は2.21±3.63,2.24±3.33,陥入爪,バチ状爪,匙爪,爪の委縮や欠損,深爪などのその他の2枚爪以外の爪変形は2.29±3.42,3.53±4.14だった.足部,足趾の変形は本調査の結果では30~70%に何らかのトラブルが見られた.足趾の変形の合計は,歩行できない群が歩行できる群より有意に多かった.皮膚の脆弱性,痛覚,触覚,温度差などの感覚性,足の冷感,足背後脛骨動脈の触知においては有意差がみられた.ABI値は歩行できない群で8名が測定不能だった.外反母指は両群で31~36%に見られた.? 172 ?