ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号
訪問看護ステーション利用在宅高齢者における足病変とセルフケア行動の実態-歩行能力との関連性の分析-循環状態:足部の冷感を視診と触診で観察した.下肢虚血の定量的評価には,足関節上腕血圧(収縮期)比(ankle brachial pressureindex:ABPI,ABI,APIとも略される,以下ABIと示す)が用いられる.正常値は1.3~0.9で0.9未満は下肢動脈の狭窄(閉塞),1.4以上も注意が必要である.動脈硬化が著しく(石灰化),そのため動脈血圧が見かけ上高くなることもある28).ABIは上腕測定用の血圧計を使用した.左右足関節と左右上腕の血圧測定を行い,左右足関節を分子として高い側の上腕血圧値を分母としてそれぞれの比を計測した.背屈時の角度:基本軸は腓骨への垂直線で移動軸は第5中足骨として角度計で測定した.屈曲位をとれない対象者は座りながら測定した.第1足趾から第2足趾までと第2足趾から第5足趾までの開き具合:図1のように第1足趾と第2足趾間,第2足趾と第5足趾間の中間点の長さを計測し,その後,対象者に声をかけて最大限に足趾を開いてもらい同様に測定した.測定方法は著者がオリジナルに考案した.履物:歩行できる人には訪問時に普段履いている靴を見せてもらい,靴が足の大きさにフィットしているか,靴の中のシミや減り具合,靴底の消耗具合などを観察した.3)主観的調査は,対象となった在宅高齢者の足について感じることを,足がだるい,膝が痛いといった12項目に分けて質問をし,1(ない)から10(ある)段階で回答してもらった.主観的アセスメントの質問に関する回答は,質問紙には自身で鉛筆やペンで〇をつけるこ図1足趾の開き具合の定量(矢印の長さを測定)とができる利用者には自分で記載してもらったが,視力障害や手に拘縮があり自分で回答できない対象者には著者が質問をしながら回答を代筆した.質問紙は先行文献をもとに作成した40).認知機能の低下や身体的理由で回答できない者は無回答とした.4)足のセルフケアに関するアンケートは先42)行文献や著者の足に関する講習会参加での学びをもとに作成し,全11項目に対して,歩行できるものを対象として,「全くやってない」「ほとんどやってない」「時々やっている」「毎日やっている」の4者択一形式の質問紙を使用した.6.データ分析方法アンケート各項目の度数分布表を作成し,次に歩行できる人と歩行できない人の量的尺度,順序尺度の差にウイルコクソン順位和検定,名義尺度の差にFisher正確検定の適用をした.統計的有意性検定の有意水準は5%とした.統計解析はIBM SPSS Statistics 24を用いて実施した.調査内容別の検定方法の内訳は以下のとおりである.1)基本属性は,要介護度についてはウイルコクソン順位和検定を,それ以外はFisher正確検定を適用した.2)客観的な足病変は,評価AはFisher正確検定を,評価Bはウイルコクソン順位和検定を適用した.3)主観的調査はウイルコクソン順位和検定を適用した.4)足のセルフケアについてのアンケートは検定は実施せず,各項目の頻度と割合を記述した.7.倫理的配慮著者が書面及び口頭で研究趣旨の説明と研究協力依頼を行った.その際,収集したデータの漏えい防止や匿名性の保持,プライバシーの保護,参加の自由について十分に説明し理解を得た上で本人からの同意を得た.認知機能が低下している人には家族から書面で同意を得た.本研究は愛知県看護協会の倫理委員会にて倫理承認を得ている(172? 3).? 170 ?