ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci.　第64巻　第2号　通巻 第292号

概要

教育医学 J.Educ.Health Sci.　第64巻　第2号　通巻 第292号

パネルデータ分析による中高齢者の体格・体力の特性と性差－時系列データ分析との比較から－女性：r＝?0.115；p＜0.05）のみであり，男性のOSI（r＝?0.103；p＜0.05），女性の身長（r＝?0.280；p＜0.01）に負の相関がみられ，男性の体脂肪率（r＝0.337；p＜0.01），女性のBMI（r＝0.150；p＜0.05）に正の相関がみられた．しかし，男性の身長，体重，BMI，女性の体重，体脂肪率，OSIには年齢との間に相関は認められなかった．また，パネルデータにおいて男女間の回帰直線の傾きの差の検定を行ったところ，身長，体重，BMI，体脂肪率，除脂肪体重いずれにおいても有意な差は認められなかった．時系列データでは，男女間の除脂肪体重の回帰直線の傾きに1％水準の有意な差が認められた．さらに，パネルデータと時系列データ間の回帰直線の傾きの差の検定では，女性のBMI間及び除脂肪体重間，男性の体脂肪率間に有意な差（いずれも5％水準）が認められた．上記の結果から，体格で種々バイアスを受ける項目は男子が身長，体重，体脂肪率，OSIの4項目，女性が体重，BMI，体脂肪率，除脂肪体重の4項目であった（表2）．2．年齢と体力の関係加齢に伴う体力の変化を男女別に図2?1（握力，上体起こし，開眼片足立ち），図2?2（長座体前屈，10m障害物歩行時間，SSTw）に，パネルデータ分析と時系列データ分析による回帰直線の式と併せて示した．また，表3に年齢と各項目の相関係数とその有意性及び回帰直線の傾きの男女間とパネルデータと時系列データ両分析間の有意差検定結果をそれぞれ示した．また，体格と同様に表3に種々バイアスの影響の有無を併せて表記した．その結果，パネルデータにおいて年齢との間に男女とも負の相関が認められた項目は握力（男性：r＝?0.540，女性：r＝?0.337），開眼片足立ち（男性：r＝?0.151，女性：r＝?0.200）（いずれも1％水準で有意），SSTw（男性：r＝?0.134，p＜0.05，女性：r＝?0.259，p＜0.01）の3項目で，正の相関が認められた項目は10m障害物歩行時間（男性：r＝0.201，女性：r＝0.242）（ともに1％水準で有意）のみであった．また，上体起こしは男性にのみr＝?0.264（p＜0.01）で年齢との間に負の相関が認められたが，男女の長座体前屈には相関は認められなかった．時系列データでは，年齢との間に男女とも負の相関が認められた項目は握力（男性：r＝?0.368，女性：r＝?0.179），上体起こし（男性：r＝?0.374，女性：r＝?0.329），開眼片足立ち（男性：r＝?0.474，女性：r＝?0.333），SSTw（男性：r＝?0.339，女性：r＝?0.382）（いずれも1％水準で有意）の4項目で，正の相関が認められた項目は10m障害物歩行時間（男性：r＝0.398，女性：r＝0.401）（ともに1％水準で有意）のみであった．また，長座体前屈は女性にのみr＝?0.194（p＜0.01）で年齢との間に負の相関が認められた．表3体力における男女別，分析別相関係数とその有意性，回帰直線の傾きの差の検定及びバイアスの有無パネルデータ分析相関時系列データ分析相関項目握力上体起こし開眼片足立ち長座体前屈パネル回帰の傾き（男性?女性）++10m障害物歩行時間SSTw男性-0.540** -0.264** -0.151** 0.201** -0.134*女性-0.337** -0.200** 0.242** -0.259**男性-0.368** -0.374** -0.474** 0.398** -0.339**女性-0.179** -0.329** -0.333** -0.194** 0.401** -0.382**時系列回帰の傾き（男性?女性）+ ++ +回帰の傾き（パネル?時系列）バイアスの有無男性?? ?? ?? ??女性男性無有有無有有女性無有無有無無*，+，?：p<0.05，**，++，??：p<0.01? 150 ?