ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci.　第63巻　第4号　通巻 第290号

概要

教育医学 J.Educ.Health Sci.　第63巻　第4号　通巻 第290号

クリーンエクササイズにおけるキャッチ動作の運動速度が下肢関節キネティクスに及ぼす影響た場合には，Turkeyの方法を用いて多重比較を行った．有意性は危険率を5％未満で判定した．Ⅲ．結果Fig. 1には，1RMに対する60％の付加重量を用いてQuickの試技行った際の地面反力の鉛直成分，下肢3関節の関節角速度，関節トルクおよびトルクパワーの変化パターンについて示した．地面反力，関節トルクおよびトルクパワーについてはキャッチ動作開始直後に棘波形のパターンを示すことが認められた．また，関節角速度については，一度減少し，その後増大するパターンを示すことが認められた．Table 1には，NormalおよびQuickを行った際の時間を示した．試技条件と付加重量間には交互作用は認められなかったものの（F＝0.07, n.s.），試技条件のみにおいて主効果が認められ（F＝12.36，P＜0.05），全ての付加重量においてQuickがNormalと比較して有意に短いことが認められた（P＜0.05）．Fig. 2には，NormalおよびQuickを行った際の地面反力の最大値を示した．試技条件と付加重量間には交互作用は認められなかったものの（F＝0.58, n.s.），試技条件のみにおいて主効果が認められ（F＝12.71, P＜0.05），全ての付加重量においてQuickがNormalと比較して有意に大きいことが認められた（P＜0.05）．Fig. 3には，NormalおよびQuickを行った際の地面反力の関係を示した．NormalとQuickにおける地面反力の値が等しい場合には，Y＝X（傾き1）の直線上に位置することになる．対象者11名のうち，1RMに対する30％の試技では8名が，1RMに対する60％および90％では10名が，それぞれQuick側に位置していることが認められた．Fig. 1 Typical example of vertical ground reaction force, jointangular velocity, joint torque and joint torque powerduring the quick catch motion at 60% of 1RM.Fig. 2 Comparison of peak vertical ground reactionforce between the Normal and Quick at 30%,60% and 90% of 1RM (*; P<0.05).Table 1 Comparison of time between Normal and Quick catch motion at 30%, 60% and 90%of 1RM.Time (s)30% 1RM60% 1RM90% 1RMDifferenceNormal0.137±0.0400.149±0.0400.148±0.048n. s.Quick0.093±0.0400.111±0.0240.111±0.032n. s.DifferenceQuick < NormalQuick < NormalQuick < NormalP< 0.05? 298 ?