ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号
- ページ
- 34/50
このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号 の電子ブックに掲載されている34ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号 の電子ブックに掲載されている34ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号
カンフー体操が中高齢者の体力に及ぼす影響-ラケットスポーツと比較して-同意が得られた36名に「カンフー体操教室」あるいは「ラケットスポーツ教室」の一方を自由に選択してもらった.この36名の内,年齢が対象となる50歳から70歳までであった者が27名,その内「カンフー体操教室」を選んだ16名をカンフー体操群,「ラケットスポーツ教室」を選んだ11名をラケットスポーツ群とした.6週間の教室参加の前後に体力テストと重心動揺計を用いたバランス能力の評価を実施した.また65歳以上の参加者には日常生活能力(Activities of Daily Living:ADL)テストを合わせて実施し,研究参加に支障がないことを確認した.教室に先立ち,すべての参加者には研究の内容,目的,方法などの詳細を説明した上で,文書によるインフォームドコンセントを得た.なお,本研究は中京大学体育学研究科における「人を対象とする研究に関する倫理審査委員会」の承認(承認番号:2015?033)を得た上で行った.2.運動の内容両群とも1回当たり60分間の教室を週2回,合計12回(6週間)実施した.カンフー体操群はアジア武術連盟技術委員会によって編纂された19)「カンフー体操1」,「カンフー体操2」の2種類の套路(「套路」は「套」=セット(始めから終わりまで),「路」=動作の方向,路線の意味.日本では「型」として理解されている)を基に作成したプログラムに則ってカンフー体操を実施した.60分間の時間配分は20分間の準備運動,30分間の主運動,10分間のクールダウンであった.第1回から第6回では,カンフー体操の型(套路)を覚えてもらい,第7回から第12回では套路を通して行ってもらった.ラケットスポーツ群は20分間の準備運動,30分間のラケットスポーツ運動,10分間のクールダウンであった.ラケットスポーツ運動はバドミントン,卓球,テニスであった.それぞれの種目を4回ずつ行った.3.体力テスト握力,背筋力,立ち幅跳び,片足スクワット,長座体前屈の測定は,以下の要領で実施した.立ち幅跳び,長座体前屈については文部科学省の新体力テスト16)に準拠して行った.1)握力スメドレー式デジタル握力計(T.K.K.5401,竹井機器工業株式会社,新潟市)を用いて,左右2回ずつ測定し,良い方の値を採用した.直立の姿勢で両足を左右に自然に開き,腕を自然に下げ,握力計を振り回さないようにして測定した.2)背筋力デジタル背筋力計(バック?D,T.K.K.5402,竹井機器工業株式会社,新潟市)を用いて,2回測定し,良い方の値を採用した.3)立ち幅跳び両足を軽く開いて,つま先が踏切線の前端に揃うよう立ち,両足で同時に踏み切って前方へ跳び,体が床に触れた位置のうち踏切線に最も近い位置と踏み切り前の両足の中央の位置(踏切線の前端)を結んだ距離を測定した.2回測定し,良い方の値を採用した.4)片足スクワット椅子に腰掛けた状態から片足で立つ,座るという動作をできるだけ速く繰り返し,30秒間に何回立つことができるかを測定した.この際,手は前方にまっすぐ伸ばし,反動をつけないよう指示した.左右について1回ずつ行った.5)長座体前屈デジタル長座体前屈計(T.K.K.5412,竹井機器工業株式会社,新潟市)を用いて,2回測定し,良い方の値を採用した.両脚を体前屈計の間に入れ,背,尻を壁につけ,肩幅の広さで両手のひらを下にし,手のひらの中央付近が体前屈計の手前端にかかるように置き,背筋を伸ばし,胸を張って両肘を伸ばした位置から膝が曲がらないように注意しながら,ゆっくりと前屈し,体前屈計を前方へ滑らせるよう指示した.6)閉眼片足立ち(時間)目を閉じた状態で腰に手を当てて立ち,記録員の合図で膝を曲げるようにして片足を軽く浮かせて,片足で何秒立っていられるかを? 326 ?