ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号
- ページ
- 25/50
このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号 の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号 の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号
岡将志,久保田浩史,松本香奈,渡辺直勇,麻草淳,篠田知之,川端悠監督,もしくは代表者に研究の目的および趣旨を十分に説明した.そして,被験者および保護者に対しても,測定の前に研究の目的および趣旨を十分に説明し,インフォームドコンセントを得た後に測定を行った.2.野球技能の評価本研究における野球技能とは,指導者による主観的評価によって数値化された野球に関する技能であると定義した.選手の野球技能1,2,3,6,7,12)を評価するために,先行研究を元に独自の項目を加えたアンケートを作成した(表2).評価項目は打撃2項目(バットコントロール・パワー),守備2項目(正確性・バリエーション),走塁2項目(スピード・走塁スキル)の計6項目とした.6項目の平均値を野球技能の総合評価とした.作成されたアンケートを用いて,指導歴3年以上の代表指導者(各チーム1名)が,自チームの選手の野球技能レベルを絶対評価の5段階で評価した(5段階評定:5…たいへん優れている,4…優れている,3…ふつう,2…劣っている,1…たいへん劣っている).なお,野球技能評価の検者間信頼性を検討するために,あるチームの選手8名を3名の異なる指導者が評価した.その結果,野球技能評価の検者間信頼性は非常に高かった(ICC=0.87).この3名の指導者の指導経験年数は,3年以上であるが,その年数は異なる.しかし,野球技能の評価において検者間の一致度は高かった.3年以上の指導経験があれば,一定の指導スキルを有していると仮定し,ある程度,共通の評価基準から野球技能の評価が可能となると判断した.また,本研究で対象とした野球チームのレベルは,県大会出場レベルであり,一定の水準以上かつ同等のレベルであった.また,指導者には相対的ではなく,絶対的評価を行なうように依頼した.3.CMTテストCMTテストは,新体力テストに「連続性」と「多方向性」を加え,簡便に複合的な運動能力を評価できるテストである17).走・跳・投の3つの測定項目,具体的には後述のジグザグ走,両足3連続跳び,連続壁当てボール投17)げから構成されている.高木は,身のこなしやボールを操作する能力を評価できるテストと述べている.また,児童に対してこのテストを用いた結果,各項目の得点は加齢に伴い向上傾向を示すが,ジグザク走は4年生,両足3連続跳びは3 ? 5年生,連続壁当てボール投げは5,6年生で停滞傾向を示すことを報告している.さらに,これらの結果は,新体力テストの得点の向上傾向とは異なることを明らかにし,単純に体力を評価しているのではなく,複合的な運動能力を評価していると述べている.このテストによって評価される能力をCMT成就能力と定義した.CMTテストの各項目の測定値を学年内でTスコア化し,代表値とした.1)ジグザグ走【走能力】CMTテストにおける走能力は,方向転換能力の要素も加え,ジグザグ走とした.全長20m,幅1 mのコース上に,3 m間隔で左右交互にジグザグドリブル用ポール旗立てセット(竹井機器工業株式会社製)のポールを6本設置した(図1).このジグザグ走のコースを,方向転換を繰り返しながら往復し,スタート地点に戻るまでの時間を計測し,タイムで評価する.タイムはストップウォッチで手動にて計測し,小数点第1位まで記録した.測定は2回行い,最小値を代表値とした.表2指導者による主観的評価の野球技能の評価項目評価項目打撃守備走塁1正確にミートすることができる(パットコントロール)2強い(速い)打球を打つことができる(パワー・伝え方)3正確に投げる,捕ることができる(正確性)4多様な投げ方,捕り方ができる(バリエーション)5ベースランニングが速い(スピード)6打球判断,状況判断が的確にできる(走塁スキル)? 317 ?