ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

介護老人保健施設の看護職の職務の継続と認知症ケアの検討;介護老人保健施設の看護職版職務満足度評価尺度とBPSDサポート尺度を用いてことが困難になることも多く,そのため,〈BPSDに向き合うケア〉の実践が重要であるが,〈BPSDに向き合うケア〉の実践は,直接的な〈職務の継続〉の因果関係になるわけではない.しかし,BPSDに向き合えるように認知症高齢者のケアの質を高めていくことが,老健の看護職の仕事に対するポジティブな思いとなり,職務満足度を高めることにつながり,その力が〈職務の継続〉となることが明らかになり,看護職の認知症ケアの実践力の向上が必要であることが示された.【謝辞】本研究に,ご理解とご協力をいただきました介護老人保健施設の看護職の皆様に感謝申し上げます.なお,本研究は文部科学省研究費基盤(C)課題番号24593476の助成を受け実施した.また,本研究の一部は,第65回日本教育医学会大会にて発表した.【利益相反】本研究における利益相反は存在しない.Ⅴ.本研究の限界と可能性現在,老健では,在宅強化型老健施設や在宅復帰・在宅療養支援機能加算算定施設ではなく,長期の生活の場として機能している施設もあり,2極化しつつあるという現状がある.本調査ではそれらの特性を加味した結果ではないため,今後は施設の特性を踏まえながら研究をすすめていくことが課題である.また,本研究では施設の看護介護部長等に人選を依頼しているため,それが結果に影響を与えていることは否めない.そのため,サンプリングを層化,無作為抽出するなどの工夫が必要である.Ⅵ.結語1.「給料」は仕事全体の満足度・転職意向・離職意向と関連があった.2.N-DS-HFの「給料」とSS-BPSDの「易怒・興奮」は関係がなかった.3.N-DS-HFの「看護職としての誇り」は年齢・認知症ケアの経験年数と関係がみられた.4.BPSDに向き合う認知症ケアの実践であるSS-BPSDは,老健の看護職としての6つの領域の職務に互いに影響をしあい,老健の看護職の職務満足は職務の継続につながると仮定したモデルの適合度は,GFIは.922,AGFIは.887,CFIは.934,RMSEAは.076,AICは258.218であり,GFI≧AGFIであり,モデルを採用する基準を満たした.文1)阿部隆春(2010)最重度・重度知的障害者更生施設(入所)職員の職務満足と職務環境との相関関係について;福祉専門職の職務環境改善を考える,人間福祉学会誌,9(1),31?34.2)朝田隆(2009)認知症の問題行動・BPSDへの対応,老年精神医学,20(増刊号?3),95?101.3)粟田主一,杉山美香,井藤佳恵,宇良千秋,宮前史子,佐久間尚子,新川祐利,岡村毅,稲垣宏樹,伊集院睦雄(2015)地域在住高齢者を対象とする地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート(DASC?21)の内的信頼性・妥当性に関する研究,老年精神医学,26(6),675?686.4)深澤優子,飯野英親(2013)若手看護師に伝えたいこと;自分の未来を看護に賭けた人たちへ,看護,65(6),96?99.5)後藤いづみ(2011)高齢者が生活リズムを整えるためのケア;高齢者を支える看護職としての誇りを確認できる,コミュニティケア,13(6),55?56.6)堀田将士,古川直美,星野純子,窪内敏子,日比野直子,浅井恵理,宇佐美利佳,安江豊子,酒井晶子,水谷由賀子,水草真澄美,吉村久美子(2016)特別養護老人ホームに勤務する看護職に対する人材育成の現状と課題,岐阜県立看護大学紀要,16(1),121?127.献? 312 ?