ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号
稲垣良介,水沢利栄,田邊章乃故にあうと思いますか」(以下,友人),水難事故の原因について「足のつかない深いところでは,おぼれてしまう事故にあうと思いますか」(以下,水深),「水のそこがごつごつしたり,つるつるしたりするところでは,おぼれてしまう事故にあうと思いますか」(以下,河床)を用いた.対策実行認識は,救命胴衣着用の意思について「川であそぶときライフジャケットがあったら,ライフジャケットをつけますか」(以下,河川),水域での孤立回避行動としてコミュニティの最小単位である家庭について「川であそぶときは,家族や大人といっしょにいきたいと思いますか」(以下,家庭)を用いた.例えば,「あう5点,たぶんあう4点,どちらともいえない3点,たぶんあわない2点,あわない1点」のように得点を付した.着衣泳と危険予知トレーニング,3回の質問紙調査を時系列にまとめると,「事前調査(着衣泳の直前)→着衣泳→直前調査(危険予知トレーニングの直前)→危険予知トレーニング→追跡調査(危険予知トレーニングの50日後)」であった.6.分析方法危険予知トレーニングで用いたワークシートに記載された「危険」と「対策」に対する児童の記述は,KJ法により分類した.人の行動を対象とする記述を「行動要因」,水辺の様子や用具に関する記述を「環境要因」に分類した.記述数とその出現率(=センテンス数÷センテンス数合計×100)を算出した.また,児童が危険に対してどのように対策をとろうとするか調べるため,危険回避の方策について3つの型に分類した.危険予知トレーニングは,ワークシートに記載されたイラストに対する内容を分析した.河川のイラストは,学級担任が危険と対策を例示した後に,児童に回答させた.海のイラストは,児童が個人で危険と対策を考えた後に班で交流した.質問紙調査による,リスク認識と対策実行認識の分析は,平均得点と標準偏差を算出した.平均得点の差の検定は,対応のある一要因分散分析後,TukeyのHSD検定を行った.統計的仮説検定の有意水準は5%以下とした.Ⅲ.結果及び考察1.危険予知トレーニングで用いたワークシートの記載内容の分析1)河川のイラストに対するワークシートの記載内容について表2は,河川のイラスト(図1)を見て「どのような危険がありますか」という質問に対して得られた児童のワークシートの記載内容をまとめた.記述数の上位3項目(出現率計66.3%)は,子どもの行動を対象とする行動要因に分類さ表2河川のイラスト「小学生が遊んでいるイラストの中には,どのような危険がありますか」に対する児童の記載内容n=22要因キーワード記述数出現率(%)記述例1記述例2行動乗る3031.6不安定な石のうえに乗っている乗っていると落ちるかもしれない行動飛び込み1717.9高いところから飛び込んでいる飛び込んだら滑ってしまう行動投げる1616.8人がいるのに投げている重たいものを持ち上げている環境流れ66.3流れのはやいところにいる河川の水の流れで転ぶ行動衣類66.3はだしで入っている半袖・短パンでいる環境深さ33.2深さを確かめていない深いところで溺れるかもしれない環境コケ33.2石に苔が生えているぬるぬるしている行動外傷33.2岩にぶつける頭を打つ行動死角33.2皆から見えないところにいるどうなっていても分からない行動保護者22.1こどもだけで遊んでいるおやがいない環境水の色11.1水が緑色をしている下が見えない環境滝11.1小さな滝がある高いところと低いところがある環境滑る11.1河の中は滑る―環境足場11.1ぐらぐらしている―行動不注意11.1違うところをみている――その他11.1一緒に入ろうとしている―合計95―――? 269 ?