ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号
萩原悟一,下園博信,黒田次郎,大下和茂,秋山大輔,中田征克続意図の関連を検討するためモデルを設定し,共分散構造分析を実施した.統計解析パッケージはIBM SPSS Statistics 20.0およびAMOS20.0を使用した.Ⅲ.結果1.トップアスリートの行動評価尺度の信頼性・因子的妥当性の検証トップアスリート行動評価尺度について,6因子12項目すべての内的一貫性を確認するため,クロンバックα係数を算出した結果,「社会貢献行動」因子が.78,「スポーツ以外での努力行動」因子が.79,「スポーツでの努力行動」因子が.85,「挑戦的行動」因子が.77,「スポーツパーソンシップ」因子が.87,「感謝する心」因子が.78となった.次に,尺度の因子的妥当性を検討するため,検証的因子分析を行った結果,GFI=970,AGFI=.934,CFI=.991,RMSEA=.044となった.2.トップアスリートの行動とスポーツ実施者のスポーツ継続意図の関連トップアスリートの行動とスポーツ実施者のスポーツ継続意図の関連を検討するため,トップアスリートの行動評価を基軸としたスポーツ・コミットメントモデルを検証した結果,GFI=.985,AGFI=.910,CFI=.989,RMSEA=.080となった.また,パス係数を確認したところ,「挑戦的行動」および,「スポーツパーソンシップ」から競技者アイデンティティー,競技者アイデンティティーからスポーツ・コミットメントへのパスが有意であることが示された(図1).Ⅳ.考察本研究の目的は,青年期のスポーツ実施者によるわが国のトップアスリートの行動評価を基軸としたスポーツ競技者の競技者アイデンティティーとスポーツ継続意図との関連を検証することであった.まず,作成したトップアスリートの行動評価尺度の信頼性を検討するため,クロンバックα係数を算出し,尺度項目の内的一貫性を確認した結果,α係数5)は基準値を満たしていることから信頼性は十分に確保されていると考えられる.次に妥当性を検討するため,検証的因子分析を実施11)した結果,適合度が十分な値を示し,因子的妥当性について確認できたことから,本研究で作成した尺度項目のワーディングに問題がないと考えられる.トップアスリートの行動とスポーツ実施者のスポーツ継続意図の関連を検討するため,トップアスリートの行動評価を基軸としたスポーツ・コミットメントモデルを検証した結果,モデルの妥当性が示され,また,「挑戦的行動」および,「スポーツパーソンシップ」から競技者アイデンティティー,競技者アイデンティティーからスポーツ・コミットメントへのパスが有意であることが示された.すなわち,わが国のトップアスリートの挫折からの再挑戦および可能性にかける挑戦行動や試合等での紳士的なふるまいを認知することが,スポーツ実施者の競技者としてのアイデンティティーを高めさせ,そして,スポーツ・図1共分散構造分析結果? 263 ?