ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号
Change in Oral Antimicrobial Peptides and Neuroendocrine Response by Intense Exercise高強度運動による口腔内抗菌性ペプチドの変化と神経内分泌応答との関連臼井達矢,辻慎太郎,永井伸人,竹安知枝抗菌性ペプチド群は自然免疫に属し,感染に対する第一線の防御機構として機能するだけでなく,獲得免疫系を誘導し活性化させる働きを有している.抗菌性ペプチド群は,歯科学や口腔衛生学などの領域で重要とされており,口腔の健康や感染症との関連について報告されているものの,運動の影響に関しては報告されていない.そこで本研究では抗菌性ペプチド群に対する一過性高強度運動の影響について検討した.若年男性7名に対し,高強度運動を実施させ,抗菌性ペプチド群としてLL-37とHBD-2,さらに唾液免疫として広く知られている唾液免疫グロブリンA(IgA),ストレスホルモンとして唾液コルチゾールおよびカテコラミンをELISA法により測定した.HBD-2およびLL-37濃度は運動直後と回復期において有意に増加し,IgAは運動後に有意に減少した.抗菌性ペプチド群の発現と一過性の運動ストレスに対する影響については,AUCLL-37とAUCコルチゾール,AUCHBD-2とAUCコルチゾールとの間に有意な負の相関が認められた.一過性の高強度運動により,ストレスホルモンであるコルチゾールが増加し,運動による抗菌性ペプチドの増加量を抑制することが示された.? 240 ?