ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号
緒形明美,小木曽加奈子,會田信子設が指定した個室に準じた場所で行い,対象者の許可を得てICレコーダーに録音した.3.分析方法分析は,質的帰納的方法によって行った.対象者が語った言葉をすべて逐語録にした後,施設管理責任者による「組織運営」と「人的サポート」の2つの内容の記述部分にマークしデータとした.これらは前後の内容を含めて,意味的つながりや内容的なまとまりを読み取りながら,1つの意味内容を示す20?30字程の1単位のデータをコードとして,書き出した(コード化).その後,内容の類似性によってコードを分類し,サブカテゴリーとカテゴリーへと段階的に抽象化し,それぞれのサブカテゴリーとカテゴリーごとに,分類されたコードが意味する内容を反映する名称を設定した.結果の図表には,原則として,抽出されたコードすべてを表記したが,類似する内容を複数の対象が語っているコードの場合は,そのうちの一人のコードのみを示して「代表的なコード」として示した.なお,データのコード化と分類,カテゴリーの名称設定については,結果の同意が得られるまで,共同研究者とともに検討した.4.倫理的配慮本研究を行うに先立ち,対象に口頭と文章で調査依頼を行い,同意書にて同意を得た.本研究の協力・同意の有無によって職務上の不利益を被ることがないこと,研究の参加は自由意思であり,学会等で発表することなどを説明した.なお,本研究は名古屋大学大学院医学系研究科生命倫理委員会の承認を得た(承認番号201??018?).Ⅲ.結果1.対象者の概要対象は,研究協力の得られた?施設の施設管理責任者?名であった(表1).性別は男性4名(80%),年齢は?0歳代以上が3名(?0%)と最も多く,施設での役職は全員が施設長でそのうち1名(20%)が理事長を兼任していた.取得している資格は社会福祉主事任用資格が4名(80%),1名(20%)は社会福祉士であり,経験年数は,10年以上が2名(40%)と最も多かった.2.特養における施設管理責任者の人材定着のための組織運営人材定着のための組織運営における33コードは,11サブカテゴリーとなり,【労働環境改善】,【能力開発】の2つのカテゴリーに分類できた(表2).以下,カテゴリーを【】,サブカテゴリーを「」,コードを〈〉で示す.設管理責任者は,〈施設理念を明確に職員に示す〉ことで,「ビジョンの明確な提示」を行い,〈残業しないで定時に仕事を終える〉ことを実現できるように「勤務体制の整備」を実践しており,さまざまな方面から【労働環境改善】を行っていることを示した.組織運営上,職員に対しては,〈研修情報を幅広くできるだけ多く提供する〉ことで「施設内外の教育機会の参加」を促していた.また,〈キャリアに相応した研修を実施する〉ことで「職種やキャリアに応じた教育」を実践しており,職員の【能力開発】に努めてい表1対象者5名の特性対象性別年齢経験年数現在の施設取得している資格での役職現在勤務して過去に勤務経験のあるいる施設福祉施設での合計A男50代施設長社会福祉主事任用資格・ホームヘルパー2級5?7年未満7?10年未満B男60以上施設長社会福祉主事任用資格3?5年未満3?5年未満C男60以上施設長・理事長社会福祉主事任用資格10年以上10年以上D女40代施設長社会福祉士7?10年未満10年以上E男60以上施設長社会福祉主事任用資格1?3年未満1?3年未満? 197 ?