ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号
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教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号
高齢ボランティアが運営する運動サークルへの参加が地域在住女性高齢者の下肢機能に与える影響ル群30名が最終的な分析対象者となった.尚,マッチングにより,追跡期間以外の項目における群間の有意差は消失した.追跡期間においては,コントロール群はサークル群に比して追跡期間が有意に短かった(P=0.039).本研究において開催した体力測定会は,笠間市内の保健センターや公民館等の公共施設でおこない,開催時期は夏季に統一した.しかし,開催日程は会場の都合により年度によって数週間のずれがある.こうした研究デザイン上の問題が影響し,追跡期間において群間差が生じたと推測される.?.統計解析群間の基本属性および下肢機能の比較には,t検定を用いた.また,サークルへの参加が下肢機能に与える影響を検討するために,群(サークル群,コントロール群)×時間(ベースライン,追跡調査)の二要因分散分析をおこない,多重比較検定にはBonferroni法を用いた.さらに,ベースラインから追跡調査における下肢機能の変化および変化の大きさの群間差を示すため,効果量(Cohen?s d)を算出した.統計解析にはIBM SPSS Statistics21 for Windowsを用い,危険率は?%とした.?.倫理的配慮本研究は,筑波大学大学院人間総合科学研究科の研究倫理審査委員会による承認を得て実施した(課題番号:体2?-31号,体2?-132号).Ⅲ.結果表2に対象者の基本属性および下肢機能を示した.ベースラインにおける各群の年齢,身長,体重,BMI,教育年数,下肢機能の各パフォーマンステストに有意差は認められなかった.サークル群は,サークルへ入会してから1.8±1.1ヵ月後に体力測定会(ベースライン調査)に参加していた.表3にベースライン,追跡調査における各群の各パフォーマンステストの結果を示した.二要因分散分析の結果,TUGにおいて有意な交互作用が認められ(P=0.00?),サークル群の測定値はベースラインから追跡調査にかけて変化していなかったが(P=0.211),コントロール群の測定値は有意に遅くなっていた(P=0.00?).しかし,追跡調査におけるサークル群とコントロール群のTUGの測定値に有意差は認められなかった(P=0.140).開眼片足立ち時間,?回椅子立ち上がり時間,? m通常歩行時間,全身選択反応時間においては,有意な交互作用および時間の主効果は認められなかった.表2下肢機能総合得点によるマッチング後のサークル群,コントロール群の基本属性および下肢機能サークル群コントロール群n Mean±SD n Mean±SDP値年齢,歳30?1.4±4.130?1.7±4.60.?48身長,cm301?0.5±4.7301?0.4±4.90.93?体重,kg30?1.1±6.230?1.8±8.40.?04Body mass index,kg/m23022.6±2.73023.0±3.80.?22教育年数,年3011.4±1.63011.5±1.80.939追跡期間,月3011.7±0.53011.4±0.50.039開眼片足立ち時間,秒304?.7±21.23042.2±21.10.?2??回椅子立ち上がり時間,秒306.4±1.7307.0±1.90.138Timed up and go,秒305.8±0.8305.5±0.90.238? m通常歩行時間,秒303.3±0.4303.4±0.40.191全身選択反応時間,ミリ秒2999?±8030990±??0.?42下肢機能総合得点,点300.?24±0.5300.442±0.40.483SD:standard deviation? 190 ?